清算方法(現金or定期券)を記録。

 との指令。
 当地は田舎なので、都バスのような前金ではなく、距離に準じて降車時の清算となっている。なので降車は前扉。
 大前提として、市からの補助金の対象にもなりうるので、"完全"でなければならない。同時に「乗務員の勤務態度や、キマリごとのチェック」も兼ねる。

 私に渡されたダイヤは、6:23出庫の3往復して18:02帰庫のもの。ちなみに片道50分。途中、昼間に3時間ほどのブランクがある。

 早速調査開始。始発バス停で、「1番前の席にペンとバインダーを持ってる、バスマニアがいる」というお客様の注目を浴びながら開始。バス停が田舎なので、かなり短い間隔で設定されている。
 通勤時間帯に当たるダイヤだったのもあるが、私は「ほとんど乗らねぇだろう」と思っていただけにいきなりの乗車人数にビビってしまった。一ケタ台だと思い込んでいたためだ。でも、中型タイプのバスでピーク時は22人乗った。「席を譲りたいのはヤマヤマだが、記入できねんだよなぁ〜」と心で詫びてるスキに、次の停留所についてしまう。
 1番困ったのが、乗降率が終始高かった、とある総合病院。駅に向かう途中のバスはすべて立ち寄るくらいの大口停留所。通院してる人もいれば、お見舞い、親族の方…等々。常に人がいる。降車も乗車もする。
 当社バスは先述とダブるが"後ろ乗車""前降車"なので、先ず降車する人達の支払いを目で追う。すると後ろのドアが開き、乗り込んでくる。かなりキョロキョロして、間違いなく「あやすぃ〜奴」と化していたが、周りは気にしていられない。「このバスがなくなっても良いのか!」とか思いながら。しかし、お客は私がそんなことしてるとは知りっこない。(笑)
 ドライバーがかなり気を使ってくれて、乗車用の扉を時間差で開けてくれたからよかったものの、同時だったら"スコン"とキレて、「ありがとうございました」と私も涼しい顔して下車してたね。
 
 お陰で車庫に戻ってその都度計算し、乗車と降車と残人数(車内)が、最初の1回目以外は数字があった。でも、ピークは朝だけで、昼間と夕刻は暗算できるほどの人数だったけど・・・汗
 昼過ぎはキツかった。睡魔君とのバトルである。毎度のことながら、なかなかKOできない。油断してると「プーッ・ガラガラ…」とドアのブザーに起こされ、「ヤベ、ここドコ?(笑)。」かなり恥ずかしいものがある。

 しかし、超田舎→街中へのバスの為、景色は面白かった。まるで、「いい旅夢気分」に出てきそうな景色が広がってたし。使用機材(バス)もなかなか古いので、趣たっぷりだった。
 あ、この人朝も乗った人だ!とか、路線沿いの民家の一日を垣間見たり(笑)
 たまにはこういうシゴトも、刺激になるな。と思った。

 ちなみにこの調査、「乗車する人数が多ければいいのか?」と聞いてみた。我々調査員のペン先にかかってるからね。ま、改ざんする気も起きないけど。
 回答は「多いに越したこっちゃないよ。でもあまり多ければ、市は「何だ、儲かってんじゃん!」になる。少ない方が市(補助金)へのアピールにはなるね。かといって、少な過ぎると『廃止したら?』となり、市も見放すから難しいんだよねぇ」と上司も苦笑してた。
 
 下手に嘘ついても、裏目にでる場合があるから、まさに「実態調査」である。